干支リングの改訂について
 江戸時代の刻が実際どのように設定されていたか、どのように運用されていたかはには諸説あり、実際のところ多種多様な方法が混在していたのが事実です。またその運用自体も緩やかで大まかなものでした。そのなかで江戸之刻で不定時方を表示する干支リングですが刻の設定をより分かりやすく、馴染みやすくするため「小粋な腕巻き仕様」発売時に一度改訂しましたが、今回さらに諸説の特徴を抽出しより専門的かつ分かりやすさを兼ね備えた新設定に改訂する運びとなりました。
■改訂の流れ
 当初「いなせな懐中」の干支リングは一番シンプルな定説にのっとり「日の出」「日の入り」を起点に昼夜を六等分し「日の出」「日の入り」時点が「卯」「酉」の刻の中間(正刻)になるよう設定しました。しかし昼間の刻がまだ夜も明ける約1時間も前から始まる(夜は逆に明るいうちから始まる)など実際の生活感覚との違和感がありました。そこで「小粋な腕巻き」より江戸庶民が本来各刻の真ん中(正刻)に突かれていた鐘の音を次第にその刻の始まりととらえはじめ、生活上では一般化した事実に着目し、夜明け時(明け六つの鐘)、日暮れ(暮れ六つの鐘)と同時に「卯」「酉」の刻が始まる「体感法」に改訂しました。この改訂により実際の生活感に非常に馴染みやすくなりましたが、一方で各刻が実質的に定説より半刻後にずれるため、正午が後ろにずれる(もっとも完全に昼間の真ん中に来ることは計算上ありませんが)など、学術的な定説に乗っ取った事柄とのずれが生じていました。

■今回の改訂のポイン
 上記改訂の流れの中で双方の優れた部分を再度集約し、さらにより見やすい要素を盛り込んだのが今回の改訂です。
まず昼間、夜間の区切りを示す黒い背景と白い背景は「体感法」を活かし実際の夜明け、日暮れを起点にしてあるので昼夜のバランスが見た目通りでとても自然です。各刻の区切りは色々な史実や時刻に関わる言葉が学術的な定説に基づいていることが多いため、「夜明け」「日暮れ」を「卯」「酉」の刻の真ん中(正刻)に取る方法に設定し直しました。各刻は下記説明図のBのマークで仕切られていますが昼、夜の始まりの刻はCの二重線でより分かりやすくなっています。さらに時の鐘が打たれた各刻の正刻時点に三角のマークEを付け江戸庶民の生活感覚を認識しやすくするとともに、時の鐘の数を点描で図案化Gし視覚的にもイメージがわきやすくなっています。