自動巻について



■自動巻とは

 ご存じの方も多いと思いますが自動巻ムーブメントについて間単にご説明致します。  時計を構成する要素として二つの大きなポイントがあります。一つは針をどうやって動かすか【動力源】、二つ目は針を正確に一秒づつ動くようにスピードをどうやって一定に制御するか【調速】の二点です。現在主流のクオーツ時計は【動力源】を電力(電池)としモターが針を動かします。また時間の【調速】は水晶(クオーツ)に電流を流したときに発するパルス(一定周期の信号)を利用し制御しています。これに対し自動巻は【動力源】をブリキのおもちゃなどでお馴染みのゼンマイとし、秒を刻む【調速】を振り子によって行います。ここで言う振り子とはボンボン時計などに見られる左右に揺れる振り玉でなくクルクル巻いたヒゲゼンマイを内側に持つテンプ(上画像の真ん中右下に見える金色の丸い輪っか)が左右に一定間隔で回転を繰り返します。これにより時計は常に一定の時間を刻むことが出来ます。 
 
 ゼンマイを巻き上げる方法としてリューズを指で巻くタイプが「手巻き」ですが、これですと毎日巻かなければなりません。そこで手巻きの進化型として生まれたのが「自動巻」です。自動巻にはスムーズに回転するローターと呼ばれる円盤(上画像で上部に見える半円形の盤)が付いており、腕の動きを敏感に感じ取ってはクルクル回転します。このローターがゼンマイに繋がっていて自動的にゼンマイを巻き上げてくれるのです。また手巻きのようにリューズを巻き上げる事でゼンマイを巻くことも出来ます。
 自動巻の精度はクオーツ時計に比べれば劣ります。ただ秒単位で行動する仕事など、よほどのことがない限り日常生活で不便さを感じることはありません。また使い始めには少しゼンマイを巻いてやったり時間をまめに合わしてやったりとクオーツ時計には無用の「お世話」が必要です。しかし持ち主の意志とは関係なく淡々と動くクオーツ時計には無い機械とのコミュニケーションがそこには存在します。環境に害のある電池を使わず持ち主の動き(力)をそのまま動力源として時間を刻む、使うほどに愛着が増し時計を所有し使うことの喜びを感じさせてくれる・・・それこそが自動巻時計の魅力なのです。