コラーニウオッチの時計ベルトの復元

【コラーニウオッチ、時計バンドサルベージ】ドイツのインダストリアルデザイナーの巨匠”ルイジ・コラーニ”が手がけかなり前に発売され斬新なデザイン時計ですね。ただこの構造では当然のようにストラップはすぐに切れるし7-8年もすれば交換パーツも底切れ、市販ベルトでは当然交換不可、どこに持っていっても「できません!」の門前払いで→お蔵入りのパターンです。

このようなサルベージ案件に遭遇するとファイトの湧く当店では見た瞬間に即「出来ますよ!」のご返事です。それでは早速やってみましょう!
まずはオリジナルを観察。ケースの表と裏蓋の間にストラップを挟み込む極薄づくり、いかにもコラーニらしい大胆な形状。デザインの一環の段差がありますが、まあそれは良いので形だけはある程度似せてほしいとのご要望です。


まずはオリジナルのバンドを正確に採寸しコンピューターで図面設計します。何故か?それはこの様なシビアな形状のものはハンドカットなんかで作ってしまうと、シェイプの完成度には限界がありいかにも自作丸出しの野暮ったいものになるからです。コラーニの作品ですからコラーニクオリティーで復元するにはレザーカッターで正確に形状を切り出し完成度の高いシェイプを再現しないと意味がありません。


そこで切り出したのがこれらのパーツです。レーザーで焼き切る際に0.数ミリ単位で焼き減りが生じて微妙な寸法が狂います。何度か微修正をして0.2-0.3mm以内の精度に収めます。ここまでは機械と設計の勝負です。ここからは手作業で命を吹き込む工程。

ヒゲのようなものは何かって?それは後でわかります。


表側と裏側の革。そのままくっつけるなんて単純なことは許されるはずがありません。時計の中に食い込む部分は総厚み1.5mmです。だけど全体を1.5mmで作ったら強度が持ちません。それぞれ1mmの革のケースに食い込む部分を0.6mmに削いで薄くします。本来はこの部分に薄いプラスチックが入っていて上からネジで固定しますが当然そこが壊れているため強度補充のためにこのあと補強テープ(総圧0.3mm)を双方に貼り込みます。


まず土台側の革に補強テープを貼りました。画像上にあるオリジナルのような段差のデザインは入れなくてもとのことですが、入れない訳に行かないですよね、だってここが肝ですから。ということで同時に切り出していたヒゲパーツをきれいな立体曲面に彫刻して貼り付けます。さらにこのあとコバをシャープにするため切断面に包丁でテーパー処理を施し表側の革を貼り込みます。


上下ともに同じ手法で完成!どうですかこの流れるような局面加工と仕上げ。本家コラーニベルトとのクオリティーは如何に!ということで並べてみました。


製法が違うために完全に同じ訳には行きませんがかなりいい線いってるのではないでしょうか?。うちのほうが立体的ですこしグラマラスです。また革も栃木レザーの最高級オイル多脂を使用、質感は完全にオリジナルを凌駕してますね・・・。

ということで再度登場、完成装着画像です(もちろんこちらが当店の作品です)。 サルベージ完了!


下はサルベージの実績の一部です。どんなに断られた時計でも諦めずにご相談下さい。100%ではありませんがかなりの確率で復元再生します。(だめなときはスミマセン)

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